- 課題: 連絡・ファイルが5ツールに分散、法人をまたぎ統一されず
- やったこと: Teams統一と管理者8人の先行研修を設計、Copilotで書類作成へ
- 変わったこと: 管理者が事業所の相談役に、全40人へ研修拡大へ
Teams、Slack、LINE…連絡手段が5つに分かれていた現場
福岡で福祉事業を営む3つの法人、合わせて約40人の職場では、連絡がTeams、Slack、LINE、Chatwork、Messengerに散らばっていた。法人間で出向が頻繁にあるため、誰がどの連絡網に入っているかも一様ではない。
電話や口頭でのやり取りも多く、全員に一度で情報が行き渡る手段がなかった。ファイルもGoogle DriveとOneDriveが混在し、一部の法人だけ移行が終わっていない状態が続いていた。
先に仕組みを決め、研修は管理者から
2026年夏、Ujigamiは進め方の軸を「現場の人が自分で使えるようになること」に定めた。基盤と人が整う前にシステムを作り込まない、という考え方で進めている。
進め方の順番は次の3段階を想定している。
- 連絡とファイルの基盤をひとつにまとめる
- 施設長・サービス管理責任者への研修
- 業務の自動化
連絡はTeamsに統一し、メールのドメインも一つにまとめる方針を決めた。支援記録や個別支援計画、行政提出書類といった福祉業務の中核は、別のクラウドサービスに任せることにした。
このプロジェクトでは、生産活動やグループ間をまたぐ業務、AI活用の研修を担う役割に絞った。研修費には人材開発支援助成金を使い、実質負担を抑える設計にしている。
研修はまず施設長・サービス管理責任者の8人(2つの法人に分かれ5人と3人)が受講し、そのあと全スタッフ約40人への研修に広げる。全8回・16時間、10月から週1回の夕方に、シフト制のため全回オンラインで実施する。
内容はTeamsでの情報共有からCopilotでの書類作成、Power Appsでの業務自動化という順で進む。
Copilotの回では、まず誤りの実例を見せてから使わせる。「出力は必ず人が確認する」という原則を最初に伝え、利用者の氏名や障害情報など要配慮個人情報はAIに入力しないというルールも初回で確認する。
機械にまかせる範囲と人が最後に見る範囲を、研修の入り口で線引きしておく考え方だ。助成金の受給には受講の証跡が必要なため、毎回のZoom出席記録と振り返りフォームの提出、成果物のOneDrive保管も運用に組み込んだ。
目指しているのは「相談役」がいる現場
- 前: 連絡・ファイルが5つのツールに分散し、統一手段がなかった
- 後(目指す姿): 管理者が事業所の相談役となり、全40人へ研修が広がる
そこから全スタッフへの研修、業務自動化の内製化へと3年で進める計画で、途中の内容は各期末の状況に合わせて見直す前提にしている。
同じように連絡手段が事業所ごとにばらけ、法人をまたぐ出向で権限設計も複雑になりがちな福祉・介護の現場であれば、この進め方はそのまま参考になる。まず仕組みを一本化し、研修は管理者から始めて事業所に相談役を置く、という順番だ。
