- 課題: 顧問先ごとに給与ルールが150通り超、所長の頭の中に依存
- やったこと: AIに渡す項目とソフト側の計算式を仕分け、ルールを固定
- 変わったこと: 月80時間の手入力を月20時間へ縮小目指す
顧問先ごとに違う給与ルール、150通りが所長の頭の中に
鹿児島県内で社会保険労務士事務所を営むA社は、所長を含め4人体制で顧問先を40社以上抱える。給与計算には「シャローム(社労夢)」を使っている。
駐車場代の負担額も通勤手当の上限も、締め日も顧問先ごとに決め方が違う。そのパターンは150通りを超え、多くは所長の頭の中にしかなかった。
顧問先によっては、勤怠記録の方法が複数あり、どちらを正とするか事務所側の判断に委ねられているケースもあった。どちらを正とするかも、その場その場の判断に頼っていた。
AIに渡す部分とソフトに任せる部分を仕分けた
2026年8月からの現地訪問では、まずこの150通りのルールを仕分ける作業から始めた。手当計算のような揺れやすい項目は、AIが変換するCSVには含めなかった。
役割分担は次のように決めた。
- 駐車場代・通勤手当はシャローム側の計算式で処理
- CSVには出勤日数・労働時間など揺れにくい項目のみ
- 手書きの実労働時間を正とする判断をAIに組み込み
- 読み取りに迷った行は専用の一覧へ自動振り分け
- 最後は人が一覧を確認して締める
判断に迷った行をそのつど人が決めるのではなく、ルールを先に固定しておいた。AIも人も、そのつど悩まずに済む形にした。
出勤簿を統一し、変換設定を保存して使い回す
出勤簿の書式は、出勤簿の書式は、顧問先の中で規模の大きいところのフォーマットを土台に統一テンプレートを作った。。他の顧問先にも順次配る。
事業所ごとの変換設定は、名前を付けて保存する仕組みにした。一度整えれば、次回からは同じ設定を呼び出すだけで済む。
訪問には、実際に手入力を担当している事務所のスタッフも同席し、運用の流れを一緒に決めた。
月80時間の手入力を、月20時間へ
勤怠データの手入力には、これまで月に約80時間かかっていた。目指しているのは月20時間まで減らすことだ。
- 前: 月80時間の手入力、ルールをそのつど思い出す
- 後: 月20時間を目指し、ルールは先に固定済み
達成できれば、所長を含むスタッフが150通りのルールをそのつど思い出す作業自体が要らなくなる。
顧問先や取引先ごとに計算ルールが違う会社は、社労士事務所に限らず多い。「機械に渡す範囲」と「システムの設定に任せる範囲」を仕分けるところから始められる。
